小五郎山は、山口県岩国市錦にある標高1161.7mの豪峰である。今回登る金山谷鉱山ルートは、地主の人と登山愛好家有志の熱意により、2009年(平成21年)4月に完成した。このルートには古来より銅や銀を採掘してきたと伝えられる鉱山跡があり、石見銀山と同様の手彫り坑道(間歩)が昔のまま残されている。また鉱山に通った山道の石組みも登山道に残されている。さらに修験堂があったと伝えられる寺床や雪の中での厳しい生活が偲ばれるオンドル跡地など歴史がいっぱいである。(登山口の案内板より)
右谷山を過ぎた登山道より小五郎山を見る | 大きな地図で見る |
歩行距離 | 4.3km |
所要時間 | 3時間40分 |
累積標高差 | (+) 729m (-) 729m |
コース |
登山口08:20 → 休憩所09:00 → 鉱山跡地09:50 → 小五郎山10:25 → 鉱山跡地 → 休憩所 → 登山口12:00 |
前日は、周南の烏帽子岳(大将軍)に登った後、移動。午後4時に道の駅「六日市温泉・ゆらら」に到着。温泉に入り疲れを癒す。翌朝小五郎山山麓に向け出発。恐怖の狭い崖沿いの林道を抜け、民家裏の金山谷鉱山ルート登山口(私有地のようだ。)に到着する。養蜂箱が置いてある杉の木影に車を置く。ツキノワグマ注意の看板と、麓から見える小五郎山の大きさと迫力に、つい圧倒され気が萎えそうなる。中止にしようか迷ったが気合を入れ直し、結局は決行することにする。単独登山は、山岳保険に入り、個人責任で・・・。
舗装をしばらく登り、登山口に入るなり杉林のジグザグの急登が始まる。息が切れる。オオドル跡の分岐を過ぎ、杉の林が終わり自然林に変わってまもなく、大栂350m先の分岐がある。寺床(修験堂跡)に到着、ベンチがあったので小休止する。空を見上げると薄暗い自然林の深い森に囲まれている。美しい新緑の森の中にいると心が安らぐ。登って正解だった。
シバグリ、カエデ、ミズナラの巨木の森の断崖沿いの道をトラバースしていくと右手に大きな展望岩がある。慎重に岩の上に登りとなりの山々を見る。トラバースが終わって少すると鉱山跡地に出る。大きな案内板に小五郎山の詳しい歴史が書かれている。それによれば小五郎山は、室町時代より、修験僧による鉱山採掘精錬が行わいたそうだ。大正年間にはここから採掘された鉱石をかますの中に入れ金谷山集落に運び、そこで精錬された銅のインゴットは、津和野街道・廿日市を経由し船で大阪まで運ばれていたとのことだ。この鉱山の坑道には立坑とその少し先に横坑がある。横孔は奥まで入って行けそうだが、熊が出て来そうなので入り口付近だけを見る。
鉱山を過ぎ最後の急登を登ると、寂地山〜小五郎山の縦走路に出る。縦走路には草が生えかなり荒れている。縦走路を右に曲がりすぐに小五郎山頂(1161.7m)に達する。山頂は思っていたほど広くない。南東側の展望が開け、羅漢山、法華山、成君寺山などが見える。山頂の景色を頭に焼き付けた後、往路に下山開始。下山途中広島県の江田島からきた中高年の夫婦とすれ違い言葉を交わす。ウイークデイなので本日会った唯一の登山者である。登山者の少ない山に登るときは、寂しいのでこれからは、ウイークエンド選んで登ることにしよう。下山途中ツリフネソウ、ミゾソバを見つけ、撮影する。無事駐車場へ帰着の後、萩に向け帰路につく。今日も山の神様に感謝する。
小五郎山伝説(山口県の山より:山と溪谷)
高根の里に佐伯太夫重氏という武士が住んでいた。彼の大切にしていた「竜」という名馬を差し出すよう勅命がだされたが、彼はそれを拒んで家督を長男の小五郎に譲り、宇佐岳(小五郎山)山中の「かくれが迫」に隠れ住んだ。しかし勅命に逆らったため、小五郎は父の代わりに京都四条河原で処刑され、その断末魔の叫びが宇佐岳山頂で馬を休めていた重氏の耳に届いた。名馬「竜」は愕然とした主人の姿に力が抜けてツタに足をとられて深谷の底に転落し、刺さった梅の枝がもとで河津伏田の尾端で死んだ。土地の人は父子の馬を哀れみ、いつしか小五郎山とよぶようになった(1156年の出来事)。
民家の裏にあるスペースに車を止める。 |
コンクリートの車道を上って行く。 |
← 2009年4月に完成した金山谷鉱山ルートを行く。 ← 登山道に入る。オンドル跡の分岐。 ↑ 杉林の急登を登る。 |
ミゾソバ |
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↑ 自然林の深い森になる(寺床付近)。 大栂への分岐 → |
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↑ 展望岩で一休みする。 展望岩からの景色。→ |
深い森 |
カエデ、ミズナラの森の中を行く。 |
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枯れた滝のような沢を慎重に渡る。 |
テンニンソウ |
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詳細な解説・精錬所跡地 |
小五郎山鉱山跡・坑道 |
小五郎山山頂(1161.7m)に到着する。 |
小五郎山山頂 |
小五郎山山頂から寂地山・吉和冠山の方向を見る。 |
小五郎山山頂からの眺望・東側180度の視界が開ける。 |
往路と同じ道を下山する。 |
寺所付近の森・神秘的だ。 |
ツリフネソウ |
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ミゾソバ |
無事下山する。 |
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